こんにちは!
長距離トラック運転手のイッシーです。
駐車しているトラックが動かないようにタイヤを固定している輪止めを見たことがあると思います。
実はあの輪止め(歯止め)はかなり重要な安全器具なんです。
この記事では輪止めや歯止めの意味と輪留め忘れ防止や事故対策についてご紹介しています。
目次
トラックの輪止めの意味や役割とは!
輪止めとは車輪止めとも呼ばれ、タイヤが勝手に回転するのを防いでくれます。
下り坂や上り坂ではもちろんのこと、平坦な場所でも威力を発揮します。
大手の路線便では後ろの扉(カンノン)を開けてホームに接車し、そして後ろから積み込みをします。
ときにはリフトもトラックの荷台に後ろから出入りするのです。
1トンくらいの荷物を持ち上げた2トンから4トンほどあるリフトがトラックの中に入って行くんです。
トラックのパーキングブレーキだけではやはり怖いですよね!
昔は歯止めをしなかった為にトラックとリフトと人間がそのまま前に進んでしまい大事故が頻繁に発生していました。
トラックのサイドブレーキの種類には2種類ありワイヤー式ブレーキとエアーブレーキがあります。
昔のトラックはワイヤー式ブレーキだったので、サイドブレーキの引きが甘いとそういった事態になるわけです。
今のトラックはほとんどがホイールパーク式(エアーブレーキ)のパーキングブレーキになっていて、ワイヤー式ブレーキのときよりは事故が減りましたたが、それでも輪止めは大変重要な安全対策装置です。
歯止めの意味とは
歯止めとは車輪まわり勝手に車が動かないように車輪と接地面の間にものを挟んで動けないようにするものです。
何かの物事に対しての行き過ぎややり過ぎ、悪化をくい止めるときにも歯止めをかけるという言い方をする場合があります。
輪止めと歯止めの違いとは
輪止めとはタイヤや車輪の回転を止める装置やもののことで、歯止めとは歯車が回転しないようにすることです。
トラック運転手の中ではどちらの言葉も意味的にはあまり変わりません。
大手の運送会社でも会社によって輪止めと言ったり歯止めと言ったりで決まりはないようです。
輪留め 輪止め 違い
輪留めと輪止めの違いを調べてみると
輪止めはタイヤや車輪の回転を止めるための装置で、
輪留めは坂道で止まっている車の車輪が動かないようにタイヤの下に使うものとなっています。
トラックの輪止め事故は意外に多い
私が20年以上トラックの運転手をしていて輪止めをしていなかった為に起きた事故は非常に多いです。
特にサイドブレーキがワイヤー式のブレーキだった頃はサイドブレーキの引きが甘いとトラックはすぐに動いていました。
坂道やトラックのなかにフォークリフトで入る時に輪止めをしていないとかなり危険な事故につながります。
エアーブレーキになってからはそのような事故は減りましたが危険性がないわけではありません。
道路上でトラックが勝手に動き出すと歩行者を巻き込んで死亡事故にもなりかねません。
トラックのホームでも輪止めをしていないトラックにフォークリフトで乗り込んだ瞬間にトラックが動き出し前のトラックや建物に突っ込んだ例はたくさんあります。
必ず輪止めはするようにしてください。
輪留めの忘れ防止
輪留めの忘れには輪留めをする忘れもあるし、輪留めをしていることを忘れる場合もあります。
私も何度も経験がありますがトラックを発信しようとすると「ゴッゴッゴッ」となりそこで気づくわけです。
恥ずかしい話ですがドライバーあるあるです。
輪止めの忘れ防止には輪止めと輪止めをロープで繋ぐとトラックに乗り込むときにロープが見えるので忘れ防止になります。
サイドブレーキの引き忘れ防止について
サイドブレーキの引き忘れも意外に多いです。
サイドブレーキは普通は習慣化していてあまり意識をして引こうとは思いません。
そこに落とし穴があります。
さらに今のトラックにはイージーゴー(三菱ふそう)などがついていてブレーキを踏むと勝手にサイドブレーキがかかるようになっています。
このブレーキのスイッチが勝手にOFFになっていたりするとイージーゴーはかからずトラックは勝手に動いてしまいます。
サイドブレーキの引き忘れ防止にはやはり意識を高めるしかなさそうです
最後に
私はよく輪止めをしている事を忘れてトラックを発進させてしまいます(^^;
あんな小さな輪止めですが、見事に大型トラックの発進を止めてくれます。
輪止めはトラックのうっかり事故を未然に防ぐありがたい装置です。