大型トラックのリミッター解除について気になっているドライバーは多いと思います。
こんにちは、長距離トラック運転手のイッシーです。
私がトラックに乗り始めた頃は、今よりも高速道路をかなりのスピードで走る大型トラックを見かけることがありました。
一昔前までは、速度抑制装置に手を加えているトラックの話もドライバー同士でよく聞いたものです。
しかし現在の大型トラックには、対象となる車両にスピードリミッターの装着が義務付けられています。
そこで気になるのが、
「トラックのリミッター解除ってできるの?」
「解除したら違法なの?」
「90km/h以上出ているトラックは全部リミッター解除なの?」
という疑問です。
結論から言うと、対象となる大型トラックのスピードリミッターを不正に解除したり、本来の機能を働かなくしたりする改造はやめるべきです。
解除方法を知って早く走れるようになったとしても、事故や違反、会社の信用を失うリスクの方が圧倒的に大きいです。
この記事では、トラックのリミッター解除とは何か、解除すると違法なのか、大型トラックはなぜ90km/hで制御されるのか、解除していないのに100km/h以上出ることはあるのか、4トントラックにもリミッター義務があるのか、会社から解除を指示されたらどうすればいいのかなどについて、20年以上トラックに乗ってきた経験も交えながら解説します。
トラック運転手で年収アップするのは簡単です。
こちらの記事でくわしく解説していますのでご覧ください。
トラックのリミッター解除とは?
大型トラックには、一定以上の速度が出ないようにする速度抑制装置、いわゆるスピードリミッターが装着されています。
対象となる大型貨物自動車では、アクセルを踏み続けても設定された速度を超えて加速し続けないように制御されます。
一般的に大型トラックのドライバーが言う「リミッター解除」とは、この本来の速度抑制機能を働かなくしたり、設定された速度以上で走れるように不正な改変を加えたりすることを指します。
昔はドライバー同士でも、
「リミッターをいじっている」
「速度が普通より出る」
といった話を聞くことがありました。
しかし、だからといってやっていいわけではありません。
この記事では具体的な解除方法や設定方法は紹介しません。
知っておいてほしいのは、
「解除できるかどうか」
より、
「解除するとどんなリスクがあるのか」
です。
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トラックのリミッター解除は違法?
対象となる大型貨物自動車では、速度抑制装置の解除や取り外し、本来の機能を損なう改変は不正改造になります。
つまり、
「会社がやっているから大丈夫」
「みんなやっているから大丈夫」
という話ではありません。
会社が認めていても大丈夫ではない
私の知る範囲でも、昔は会社側がリミッター解除を黙認していたという話を聞くことがありました。
しかし会社ぐるみだから問題がなくなるわけではありません。
むしろ会社全体で不正改造を行っていたことが発覚すれば、会社の信用にも大きく関わります。
荷主から見ても、
「速度抑制装置を不正に解除している会社」
に安心して荷物を任せられるかと言われれば、難しいですよね。
ドライバー本人にもリスクがある
リミッター解除で問題になるのは会社だけではありません。
実際にそのトラックを運転するドライバーにもリスクがあります。
- 速度違反
- 重大事故
- 社内規程違反
- 不正改造車を運転することによるトラブル
大型トラックは車体も荷物も非常に重いです。
速度が上がれば、そのぶん事故を起こした時の危険も大きくなります。
「少し早く着きたい」
という理由で背負うには大きすぎるリスクだと思います。
大型トラックはなぜ90km/hでリミッターが効くの?
大型貨物自動車の速度抑制装置は、対象となる車両について一定以上の速度で加速し続けないようにするためのものです。
代表的な対象条件として、
車両総重量8トン以上。
最大積載量5トン以上。
などがあります。
ただし実際の対象は車検証上の条件や車両区分で確認する必要があります。
リミッターが装着された目的
大型トラックに速度抑制装置が導入された目的としては、安全対策が非常に大きいです。
昔は高速道路をかなりの速度で走る大型トラックを見かけました。
私自身も長年トラックに乗っていますが、リミッター装着が一般的になる前と後では、高速道路での大型トラックの速度の出方は大きく変わったと感じます。
大型トラックは重量があります。
同じ事故でも、速度が高ければ高いほど被害が大きくなる可能性があります。
そのため高速走行を抑えることは、重大事故のリスクを抑えるという意味があります。
燃費や環境面でもメリットがある
速度を抑えて走ることで、燃費面にも影響があります。
私も昔、同じようなコースを走っていた時に、速度を抑えるようになってから燃料の使用量がかなり減った経験があります。
もちろん燃費は、
荷物の重量。
道路状況。
渋滞。
車両。
運転方法。
によって変わります。
なのでリミッターだけのおかげとは言い切れません。
それでも、速度を抑えて走る方が燃費には有利になりやすいと感じています。
会社にとって燃料費はかなり大きな経費です。
安全だけでなく、燃費や環境面でも高速走行を抑えるメリットはあります。
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リミッター解除すると何キロ出る?
「リミッターを解除したら何キロ出るの?」
と気になる人もいるでしょう。
しかしこれは一律には言えません。
本来の速度抑制が働かなくなれば90km/hを超えて加速する可能性はありますが、どこまで速度が出るかは車両によって違います。
車両によって最高速度は違う
トラックの速度は、
エンジン性能。
ギア比。
タイヤ。
積載量。
道路の勾配。
などによって変わります。
ですので、
「解除すれば必ず○○km/h出る」
とは言えません。
そもそも公道で速度を出すことを目的にリミッターを解除すること自体、メリットよりリスクの方が大きいです。
1分でも早く着きたい。
前のトラックを早く抜きたい。
そんな理由で不正改造をするのは割に合わないと思います。
リミッター解除していないのに100km/h以上出ることはある?
あります。
これを知らない人は、
「100km/h出ている大型トラック=リミッター解除車」
と思うかもしれません。
しかし必ずしもそうではありません。
下り坂では90km/hを超えることがある
大型トラックのスピードリミッターは、速度が上がった時にブレーキを自動的に強くかけて90km/h以下へ戻す装置ではありません。
エンジン側の加速を抑える仕組みなので、長い下り坂などでは車重によって速度が上がることがあります。
荷物をたくさん積んでいる大型トラックは非常に重いです。
下り坂ではその重量によってどんどん速度が上がる場合があります。
私も下り坂では速度が上がりすぎないようにかなり気を使います。
90km/hを超えたからリミッター解除とは限らない
つまり、高速道路で一時的に90km/hを超えている大型トラックを見たからといって、
「リミッター解除している!」
とは断定できません。
下り坂などの道路条件によって速度が上がっている可能性もあります。
ただし、
「下り坂だから速度を出してもいい」
という意味ではありません。
制限速度を守り、速度が上がりすぎないように運転する必要があります。
大型トラックは重量があるので、一度速度が上がると止めるのにも距離が必要です。
リミッター解除はどうやってバレる?
「リミッター解除ってバレるの?」
と気になる人もいるでしょう。
結論として、発覚する可能性はあります。
今の時代、
「誰にも分からないだろう」
という考えは危険です。
車両の検査や点検で発覚する可能性がある
速度抑制装置が本来の状態で機能していない場合、車両の検査や点検などをきっかけに問題が発覚する可能性があります。
不正改造の疑いがある車両について確認が行われることもあります。
通報窓口もある
スピードリミッターの不正改造については情報提供を受け付けている窓口もあります。
高速道路で明らかに不自然な走行を繰り返していれば、周囲から見られている可能性もあります。
「昔からやっているから大丈夫」
では通用しません。
事故がきっかけになる可能性もある
事故を起こした場合には、車両の状態が詳しく確認される可能性があります。
もしそこで不正な改造が見つかれば、単なる交通事故だけでは終わらない可能性もあります。
大型トラックで事故を起こせば、会社や荷主にも大きな影響があります。
そこまで考えると、リミッター解除には本当にリスクしかないと思います。
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トラックのリミッター解除にはどんな罰則がある?
リミッター解除などの不正改造が発覚すると、整備命令などの対象になる可能性があります。
さらに、不正改造の内容や状況によっては会社や改造に関わった人、運転者にもさまざまな問題が発生する可能性があります。
不正改造した側にも責任がある
「ドライバーが勝手にやった」
「整備側が勝手にやった」
では済まないケースがあります。
誰が不正改造に関わったのか。
会社が把握していたのか。
どのような状態で運行していたのか。
こういったことも問題になります。
整備命令の対象になる可能性もある
不正改造車は、本来の保安基準に適合する状態へ戻すよう求められることがあります。
その間、仕事で使うトラックが正常に運行できなくなれば会社にとっても大きな損失です。
詳しい罰則についてはこちらの記事でも解説しています。

リミッター解除で摘発された運送会社はどうなる?
昔からリミッター解除で運送会社が問題になった事例はあります。
私の知り合いが勤めていた運送会社も、過去にリミッター関係で摘発され、テレビに出たことがありました。
会社名については現在の状況もあるので書きません。
ただ、当時はかなり大きな話になっていました。
荷主からの信用を失う
運送会社にとって一番大きいのは信用です。
荷物を預ける荷主からすれば、
「安全ルールを守らない会社」
というイメージが付くのは非常に大きな痛手です。
仕事が減る可能性もあります。
ドライバーの採用にも影響する
今はドライバーも会社の評判をネットで調べます。
「不正改造で摘発された」
「危険な運行をさせる」
という評判が広がれば、まともなドライバーほど応募しなくなるでしょう。
人手不足の運送業界で、これはかなり大きな問題です。
会社ぐるみでリミッター解除をするメリットはほとんどないと思います。
4トントラックにもリミッターの義務はある?
ここは少し注意が必要です。
一般的に「4トントラック」と呼ばれている車両でも、実際の車両総重量や最大積載量は車両によって違います。
ですので、
「4トンだからリミッター義務はない」
と名前だけで判断するのはおすすめしません。
車検証の条件で判断する
速度抑制装置の対象かどうかを見る時は、
車両総重量。
最大積載量。
車両区分。
などを確認する必要があります。
また法定の速度抑制装置とは別に、運送会社が独自に車両の速度を制限しているケースもあります。
会社で80km/hや85km/hなどの社内速度を決めているところもありますよね。
この場合、
「法定リミッターの対象ではないから解除していい」
という話にはなりません。
会社の安全規程にも従う必要があります。
プロフィア・ギガ・クオンなど車種で解除方法は違う?
トラックのリミッター解除について検索すると、
プロフィア リミッター解除。
ギガ リミッター解除。
クオン リミッターカット。
スーパーグレート リミッター解除。
など、車種名と一緒に検索している人も多いです。
メーカーや車種によって制御方式やシステムが違う場合はあります。
しかし、この記事では具体的な解除方法は紹介しません。
プロフィア
日野プロフィアでも、速度抑制装置が必要な車両について不正に解除してよいわけではありません。
ギガ
いすゞギガでも同じです。
車種が変わっても、不正改造が問題になることに変わりはありません。
クオン
UDトラックスのクオンでも、リミッター機能を不正に変更することは避けるべきです。
スーパーグレート
三菱ふそうスーパーグレートについても同様です。
結局、
「この車種なら簡単にできる」
「このメーカーならバレにくい」
という問題ではありません。
メーカーや車種に関係なく、安全装置を不正に解除しないことが大切です。
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リミッターが故障した時はどうする?
もし、
「アクセルを踏んでいるのに90km/hを大きく超える」
「以前と速度の制御が違う気がする」
など、リミッターの異常を感じた場合は自己判断で触らない方がいいです。
会社へ報告する
まずは会社の整備担当者や運行管理者へ報告しましょう。
自分で設定を変えたり、部品を触ったりするのは避けるべきです。
整備工場で点検してもらう
本当に故障しているのか。
車両の仕様なのか。
道路状況によるものなのか。
専門の整備事業者で確認してもらうのが一番です。
速度抑制装置は安全に関わる部分です。
「普通に走れるからいいか」
で済ませない方がいいでしょう。
会社からリミッター解除を指示されたらどうする?
これはドライバーにとってかなり嫌な問題です。
もし会社から、
「もっと速度を出せるようにして」
「このトラックはみんなやっているから」
などと言われても、自分で不正改造に手を出すのはやめましょう。
会社の指示でも不正改造は正当化されない
会社から言われたからといって、不正な改造が問題なくなるわけではありません。
事故が起きてから、
「会社に言われたからやりました」
と言っても、取り返しがつかない場合があります。
危険な会社なら転職も考える
リミッター解除に限らず、
速度超過を強要する。
無理な運行をさせる。
整備不良を放置する。
違法な働き方をさせる。
という会社なら、長く働くこと自体を考えた方がいいかもしれません。
トラックドライバーは会社によって働き方がかなり違います。
安全に関わる部分を平気で無視する会社に、自分の人生まで付き合う必要はないと思います。
違法な運行をさせる会社から転職したい場合

人手不足の運送業界では、ドライバーを募集している会社はたくさんあります。
だからこそ、
「今の会社しかない」
と思う必要はありません。
給料だけでなく、
安全管理。
労働時間。
休日。
車両整備。
福利厚生。
会社の雰囲気。
まで見て会社を選ぶことが大切です。
自分一人で探すのが不安なら、転職エージェントなどを使って情報収集する方法もあります。
面接だけでは分からない会社の条件を比較しながら、長く働ける会社を探すといいでしょう。
まとめ

今回はトラックのリミッター解除について解説しました。
最後にまとめます。
| 疑問 | 結論 |
|---|---|
| トラックのリミッター解除とは? | 本来の速度抑制機能を働かなくする不正な改変など |
| 解除は違法? | 対象車両の解除・機能を損なう改変は不正改造 |
| 解除すると何km/h出る? | 車両条件によって異なるため一律ではない |
| 90km/hを超えたら解除車? | 下り坂などでは解除していなくても超える場合がある |
| リミッター解除はバレる? | 検査・点検・通報などで発覚する可能性がある |
| 4トン車は? | 「4トン」という呼び名ではなく車両条件で確認 |
| 車種ごとに解除できる? | 車種に関係なく不正解除はしない |
| リミッターが故障したら? | 自分で触らず会社や整備事業者へ相談 |
| 会社に解除を指示されたら? | 不正改造に加担しない |
私は昔から大型トラックに乗っていますが、リミッターがなかった頃の高速道路は今よりかなり怖かった記憶があります。
確かにドライバーからすれば、
「もう少し速度が出れば楽なのに」
と思う場面はあります。
前のトラックを抜くのに時間がかかったり、少しでも早く目的地へ着きたかったりしますからね。
その気持ちは分かります。
しかし、リミッターを解除して数分早く着いたところで、事故を起こしたり、会社が摘発されたりすれば何の意味もありません。
早く着くことより、安全に荷物を届けて無事に帰ることの方が大切です。
リミッター解除はリスクしかありません。
会社から無理な運行を求められている場合も含めて、自分や家族の生活を守るためにも、安全を優先して走ってください。
