こんちには!イッシーです。
運送業界では、もう何年も前から「ドライバー不足」「人手不足」と言われ続けています。
私自身、長距離ドライバーとして長くこの業界で働いてきましたが、
昔と今では会社にいるドライバーの年齢層がかなり変わったと感じています。
私が20代で入社した頃は、自分と同じような若いドライバーがたくさんいました。
ところが今では、会社を見渡しても20代のドライバーはほとんどいません。
若手が入ってこない。
その一方で、今いるベテランドライバーは年齢を重ねていく。
これなら、
「運送業が人手不足になるのは当たり前では?」
と思う人がいるのも無理はありません。
しかし、運送業の人手不足は単純に「若い人が来ない」だけが原因ではありません。
給料、長い拘束時間、荷待ち、手積み手降ろし、免許制度、高齢化、2024年問題など、
いくつもの原因が重なっています。
この記事では、
- 運送業の人手不足が当たり前と言われる理由
- ドライバー不足の原因
- なぜ若い人がトラック運転手にならないのか
- 2024年問題で何が変わったのか
- 人手不足が続くと今後どうなるのか
- 運送業の人手不足を解消する方法
について、現役長距離ドライバーの目線も交えて詳しく解説します。
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運送業の人手不足が当たり前と言われる理由5つ
最初に結論から言うと、現在の運送業界の働き方や年齢構成を考えれば、「人手不足になるのも当たり前」と言われる理由は確かにあります。
もちろん、すべての運送会社の待遇が悪いわけではありません。
しかし業界全体で見ると、
- 拘束時間が長くなりやすい
- 荷待ちなど自分ではどうにもできない時間がある
- 手積み手降ろしなど体への負担が大きい仕事もある
- 若手が少ない
- ドライバーの高齢化が進んでいる
- 物流の仕事そのものはなくならない
という状況があります。
「辞める人がいるのに、新しく入ってくる人が少ない」
という状態になれば、人手不足になるのは当然です。
給料と仕事内容が見合いにくい
私が長距離ドライバーを始めた頃は、「トラック運転手はきついけど稼げる」というイメージがかなり強い仕事でした。
長距離なら手取りで片手、つまり50万円前後をもらっているドライバーの話も珍しくありませんでした。
もちろん会社や時代によって違いますが、
「家に帰れない」
「睡眠時間が不規則」
「荷物がきつい」
というデメリットがあっても、
「その分稼げる」
という大きな魅力があったわけです。
しかし現在は、単純に長時間走れば走るほど稼げる時代ではなくなっています。
休みや労働時間が改善されること自体は良いことですが、
仕事内容に対して給料の魅力を感じにくくなれば、他業種へ流れる人が出るのも不思議ではありません。
拘束時間が長い
トラックドライバーは「運転時間」だけを見ると実態が分かりません。
例えば、
朝会社へ出勤する
↓
点呼
↓
荷積み
↓
配送
↓
荷待ち
↓
荷降ろし
↓
帰庫
という一連の時間があります。
走っている時間以外にも仕事はたくさんあります。
若い人が仕事を探すとき、
「同じくらいの給料なら、もっと拘束時間の短い仕事へ行こう」
となってもおかしくありません。
荷待ちや手積み手降ろしの負担が大きい
トラック運転手の仕事で、外からは分かりにくいのが荷待ちです。
現場へ時間通りに到着しても、
「まだ荷物ができていない」
「前のトラックが終わっていない」
などの理由で待たされることがあります。
この時間はドライバー自身ではどうにもできません。
さらに荷物によっては手積み手降ろしがあります。
10トン車いっぱいの荷物を手で積んで、到着したらまた手で降ろす。
こんな仕事を毎日やれば体への負担は大きいです。
ただし、これは会社や荷物によって全然違います。
パレット輸送やカゴ台車中心なら、体への負担がかなり軽い仕事もあります。
だからこそ「トラック運転手は全部きつい」と一括りにするのも違うと私は思っています。
若手が入ってこない
人手不足を考えるうえで一番大きいのが、若いドライバーが少ないことです。
私が若い頃は、会社にも20代のドライバーが普通にいました。
同年代のドライバー同士で話したり、休憩中に集まったりすることも珍しくありませんでした。
しかし今は、その20代が本当に少なくなりました。
若手が入らなければ、40代・50代のドライバーがそのまま年齢を重ねます。
そしてベテランが定年や体力面の理由で辞めれば、人数は一気に減ります。
これは人手不足になって当たり前の構造です。
仕事量そのものはなくならない
一方で、ドライバーが減ったからといって荷物までなくなるわけではありません。
スーパーの商品も、
工場の部品も、
インターネット通販で注文した商品も、
最後は誰かが運ばなければ届きません。
物流は生活に欠かせない社会インフラです。
人が減る一方で運ばなければならない荷物がある。
このバランスが崩れていることが、現在の運送業界の大きな問題です。
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運送業の人手不足はどれくらい深刻?
「運送業は人手不足」とよく言われますが、単なるイメージだけの話ではありません。
国も物流分野の人材不足を大きな課題として扱っています。
さらに政府は、対策を講じなかった場合、2030年度には34.1%の輸送能力が不足する可能性があるという試算を示しています。
これは、
「ドライバーが34%いなくなる」
という意味ではありません。
現在と同じように荷物を運ぼうとした場合に、必要な輸送能力を満たせなくなる可能性があるという話です。
つまり人手不足の問題は、
「運送会社が求人を出しても人が来ない」
だけではなく、
「日本の荷物を今までと同じように運べなくなるかもしれない」
という問題になっています。
現役ドライバーから見ても人手不足は当たり前だと感じる
私自身、長くこの業界にいるので、昔と今の違いを実際に見ています。一番感じるのは、やはり若い人が減ったことです。
昔は20代のドライバーがたくさんいた
私自身も20代からトラックに乗っています。
当時は20代、30代のドライバーも普通にいました。
トラックが好きで乗り始める人もいたし、
「大型に乗って稼ぎたい」
という理由で長距離を目指す人もいました。
大型トラックに乗ること自体に憧れを持っている若者も多かったように思います。
今は40代・50代が中心になっている
ところが今は会社を見ても、40代や50代のドライバーが中心です。
もちろん会社によって違いますが、
「20代の新人が何人も入ってきた」
という話は昔より聞かなくなりました。
今いるベテランが10年後も同じように働けるとは限りません。
だから私は、人手不足は今だけの問題ではなく、
「この先さらにどうなるのか」
という方が気になります。
ベテランが辞めれば一気に人が足りなくなる
大型や長距離は、経験のあるドライバーが重要です。
ところがベテランドライバーが高齢になり、一気に退職してしまったら、
その穴をすぐ新人で埋めるのは簡単ではありません。
採用したら次の日から何でも任せられる仕事ではないからです。
人手不足だけでなく、経験者不足も同時に進んでいる会社はあると思います。
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なぜ若い人がトラック運転手にならないのか
若い人がトラック運転手にならなくなった原因は一つではありません。
昔ほど「稼げる仕事」という印象がない
昔の長距離ドライバーは、「大変だけど稼げる」という分かりやすい魅力がありました。
しかし今は、若い人から見れば、
「拘束時間が長い」
「休みが不規則そう」
「体力的に大変そう」
というイメージの方が先に来る場合があります。
それで他業種と大きく給料が変わらないなら、わざわざトラック運転手を選ばない人もいるでしょう。
長時間労働のイメージが強い
トラック運転手には今でも、「寝る時間がない」「家に帰れない」「休みがない」というイメージがあります。
実際には会社や仕事内容によって全然違います。
地場で毎日帰れる会社もありますし、
パレット中心で体力負担の少ない仕事もあります。
しかし求職者からすれば、入社する前にはその違いが分かりにくいです。
この業界全体のイメージも若手採用を難しくしている原因の一つだと思います。
免許取得のハードル
2007年に中型免許制度が導入され、普通免許を取ればそのまま4トントラックへ乗れるという時代ではなくなりました。
私たちの頃とは入口が違います。
今は免許を取るためにお金も時間も必要です。
会社が免許取得支援をしてくれるケースもありますが、若者から見れば、
「仕事を始める前から免許取得が必要」
というハードルがあります。
若者の車離れ
そもそも車やトラックに強い興味を持つ若者自体が昔より少なくなったと言われます。
昔は、
「トラックが好き」
「大型に乗りたい」
という理由が仕事を始める大きなきっかけになっていました。
その入口自体が小さくなれば、ドライバーになる人も当然少なくなります。
運送業は本当に給料が安いから人手不足なのか
今のドライバー不足は「給料の金額」だけではなく、「その給料をもらうために、どんな働き方をするのか」とのバランスが重要になっています。
「人手不足なら給料を上げればいい」
という意見もあります。
確かに給料は非常に重要です。
ただ、私は給料だけの問題ではないと思っています。
例えば月給40万円でも、
毎日長時間拘束され、
休みも少なく、
手積み手降ろしばかりなら、
「40万円なら働きたい」
と思う人もいれば、
「その働き方なら別の仕事へ行く」
という人もいます。
逆に給料が多少低くても、
毎日決まった時間に帰宅できる、
土日が休み、
パレット輸送中心、
という仕事ならそちらを選ぶ人もいます。
荷待ち・荷役がドライバー不足を悪化させている
ドライバーを増やすことだけを考えるのではなく、「今いるドライバーの無駄な拘束時間を減らす」ことも人手不足対策になります。
私は、運送業の働き方を改善するなら荷待ちと荷役の改善はかなり重要だと思っています。
ドライバーが運転する時間を減らせと言われても、
荷主先で2時間、3時間待たされたらどうにもなりません。
しかも、その後に手積み手降ろしがあればさらに時間がかかります。
人手不足をドライバー側だけの問題にしても解決しません。荷待ちや荷役など、物流全体の効率を改善する必要があります。
2024年問題で人手不足はどう変わった?
2024年問題で突然人手不足になったのではなく、もともとの人手不足や高齢化に加えて、長時間労働に頼った運び方を見直す必要が出てきました。
運送業界で大きな転換点になったのが「物流の2024年問題」です。
2024年4月から、自動車運転業務にも時間外労働の上限規制が適用され、年間960時間という上限が設けられました。
これはドライバーの長時間労働を改善するために必要な規制です。
しかし、今まで長時間労働によって大量の荷物を運んでいた会社では、
「1人のドライバーが以前と同じだけ走れない」
という問題も出ます。
人手不足だけでなく輸送力不足の問題
ここで大事なのは、「2024年問題で人手不足になった」という単純な話ではありません。
もともと人手不足や高齢化があったところへ、長時間労働を前提にした運び方を見直す必要が出てきたということです。
だから現在は、
「ドライバーを増やす」
だけではなく、
- 荷待ちを減らす
- 積載率を上げる
- 中継輸送を使う
- パレット化する
- 物流DXを進める
など、運び方そのものを変える必要があります。
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運送会社が求人を出しても人が来ない理由
人手不足だからといって、求人を出せばすぐドライバーが集まるわけではありません。
理由の一つは、求職者が運送会社だけを比較しているわけではないからです。
工場、建設、介護、営業、配送など、いろいろな業種と比べたうえで仕事を選びます。
その中で、
「拘束時間が長そう」
「休みが少なそう」
「仕事内容が分からない」
となれば応募されにくくなります。
さらに運送業は同じ「大型ドライバー募集」でも仕事内容が全然違います。
| 会社 | 仕事内容の例 |
|---|---|
| A社 | パレット輸送 |
| B社 | 手積み手降ろし |
| C社 | 毎日帰宅できる地場 |
| D社 | 何日も家を空ける長距離 |
これを求人票だけで完全に理解するのは難しいです。
会社側も、
「月給○万円」
だけではなく、
- 実際の拘束時間
- 月の運行回数
- 荷物
- 積み降ろし方法
- 休日
- 帰宅頻度
まで分かりやすく出した方が応募する側も判断しやすいと思います。
ドライバーが辞める会社と定着する会社の違い
同じ運送業界でも、いつも人を募集している会社と、ほとんど人が辞めない会社があります。
つまり、
「運送業だから人が辞める」とは限りません。
給料
当然ですが給料は重要です。
ただし高ければ何でもいいわけではありません。
働いた時間や仕事内容に対して納得できる給料なのかが大切です。
休み
毎週きちんと休める会社と、休みが直前まで分からない会社では働きやすさが全然違います。
配車
ドライバーにとって配車は非常に重要です。
無理な配車が続けば体力的にも精神的にもきつくなります。
逆にドライバーの事情を考えてくれる配車担当がいる会社は働きやすいです。
荷物
同じ大型トラックでも、パレットなのか、カゴなのか、手積みなのかで体への負担はまったく違います。
人間関係
小さな運送会社では社長や配車担当との距離も近いです。
給料だけではなく、
「この会社で気持ちよく働けるか」
も定着率に関係していると思います。
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運送業は将来なくなる?
結論から言えば、物流そのものがなくなる可能性は低いでしょう。
スーパーの商品、
コンビニの商品、
工場の部品、
ネット通販の商品。
どれも運ぶ必要があります。
自動運転などが発達しても、すぐにすべてのトラックドライバーが不要になるとは考えにくいです。
ただし、
「今までとまったく同じ働き方」
がずっと続くとは思いません。
長距離を1人で走り切る働き方から中継輸送へ変わったり、
手積みからパレットへ変わったり、
物流拠点の使い方が変わったり、
業界自体は変化していくと思います。
運送業の人手不足が続くと今後どうなる?
人手不足が続けば、一番大きいのは輸送力不足です。
今までなら翌日に届いていた荷物が翌々日になる。
時間指定が細かくできなくなる。
運賃や送料が上がる。
このような変化が起きる可能性があります。
一方で、ドライバーにとって悪いことばかりではありません。
本当にドライバーが足りなければ、会社側も人を確保するために、
- 給料を上げる
- 休日を増やす
- 荷役を減らす
- 拘束時間を短くする
などの待遇改善を進めざるを得ません。
人手不足が、逆に業界を変えるきっかけになる可能性もあります。
運送業の人手不足を解消するには
運送業の人手不足は、一つの対策だけで解決する問題ではありません。
賃金を改善する
まず重要なのは、働き方に見合った給料です。
ドライバーへ給料を払うには運送会社にも適正な運賃が必要なので、運送会社だけでは解決できない部分があります。
荷主も含めて考える必要があります。
荷待ち時間を減らす
ドライバーを何時間も待たせる働き方は改善していく必要があります。
予約システムなどで入場時間を調整するだけでも効率は変わります。
手積み手降ろしを減らす
パレット化や機械化が進めば、ドライバーの体力負担を減らせます。
腰を痛めて辞める人が減れば、人材の定着にもつながります。
中継輸送を増やす
長距離を1人で全部走るのではなく、途中でドライバーを交代する中継輸送なら、家へ帰りやすい働き方も可能になります。
免許取得を支援する
若い人がドライバーになりやすくするには、免許取得費用を会社が支援するのも一つです。
未経験者でも入社後に中型・大型免許を取れる仕組みがあれば入口は広がります。
若手や女性が働きやすい環境を作る
昔ながらの、「きつくて当たり前」「休めなくて当たり前」という考え方では若い人は来ません。
休日、勤務時間、設備などを改善して、いろいろな人が働ける環境にする必要があります。
外国人材や物流DXも活用する
今後は外国人ドライバーや物流DXなども、人手不足対策の一つになっていくでしょう。
ただし、人が足りないから誰でも採用すればいいわけではありません。
安全教育や働く環境の整備も同時に必要です。
人手不足の運送業界への転職は今がチャンスなのか
人手不足ということは、ドライバーを目指す人から見ればチャンスでもあります。
多くの運送会社が人材を必要としているため、経験者はもちろん、免許取得支援のある会社なら未経験から入れるケースもあります。
ただし、「人手不足だからどこへ入っても大丈夫」という考え方はおすすめしません。
むしろ会社選びはかなり重要です。
同じトラックドライバーでも、
- 給料
- 休日
- 拘束時間
- 荷物
- 手積み手降ろし
- 長距離か地場か
- 毎日帰れるか
- 会社の雰囲気
で働きやすさは全然違います。
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まとめ
今回は、運送業の人手不足の原因と、
「運送業が人手不足になるのは当たり前なのか?」
について現役ドライバー目線も交えて解説しました。
運送業の人手不足は一つの原因で起きているのではなく、待遇・拘束時間・若手不足・高齢化・荷待ち・物流の仕組みなど、複数の問題が重なっています。
- 長い拘束時間
- 仕事内容と給料のバランス
- 荷待ち
- 手積み手降ろし
- 若手不足
- ドライバーの高齢化
- 免許取得のハードル
- 2024年問題以降の輸送力問題
など、複数の原因があります。
私が20代だった頃は、会社にも若いドライバーがたくさんいました。
しかし今では20代のドライバーをほとんど見かけない会社もあります。
若手が入ってこない一方で、ベテランドライバーは年齢を重ねていく。
この状態だけを見ても、「そりゃ人手不足になるよな」というのが現役ドライバーとしての正直な感想です。
ただし、トラック運転手という仕事そのものに魅力がなくなったとは思いません。
一人で運転する時間が好きな人もいますし、
大型トラックに乗ることが好きな人もいます。
仕事内容や会社をしっかり選べば、自分に合った働き方ができる仕事でもあります。
人手不足を解消するためには、
「ドライバーをもっと募集する」
だけでは足りません。
給料、休日、荷待ち、荷役、配車、免許制度などを改善して、
「この仕事なら続けたい」
と思える環境を作ることが一番大切ではないでしょうか。
物流は私たちの生活に欠かせません。だからこそ、運送業の人手不足は運送会社やドライバーだけの問題ではなく、荷主や消費者も含めて業界全体で考えていく必要があると思います。
