ドライバー職への転職を考えるなかで、富士運輸株式会社が候補に挙がっている方も多いのではないでしょうか。
全国に拠点を持ち、規模も大きく、安定感のある物流企業として知られる一方で、「きつい」「辞めたい」といった声も見かけます。
では、富士運輸は本当に働きづらい会社なのでしょうか?
本記事では、富士運輸の基本情報から、「きつい」と言われる理由、そして実際の口コミや体験談をもとに、実態を詳しく解説します。
また、働きやすさのメリットや向いている人の特徴、転職前にチェックすべきポイントもあわせて紹介。
「働いて後悔したくない」「事前にリアルな情報を知っておきたい」という方は、ぜひ最後までご覧ください。
富士運輸とは?会社概要と物流・輸送事業の特徴
富士運輸株式会社は、奈良県に本社を構える総合物流企業で、全国に多数の営業所・車両基地を展開しています。
とくに長距離輸送や定温物流に強みを持ち、食品や工業製品を中心とした輸送ニーズに対応しています。
会社概要と事業内容
- 設立年:1969年(昭和44年)
- 本社所在地:奈良県大和郡山市
- 従業員数:約1,700名(2023年現在)
- 事業内容:一般貨物自動車運送業、倉庫業、物流センター運営など
- 車両台数:約1,300台以上(トレーラー・大型車中心)
特に関西・中部・関東圏に強いネットワークを持ち、全国規模での安定輸送が強みです。
また、輸送だけでなく、倉庫・保管・仕分け・流通加工といった3PLサービスにも注力しています。
働く環境と企業の特徴
富士運輸は「運送業界のホワイト化」に力を入れており、以下のような取り組みを行っています。
- 全車両にドライブレコーダー・デジタコ導入
- 全車バックモニター・パワーゲート装備(安全面強化)
- 年間休日110日以上(※営業所による)
- 資格取得支援制度あり(大型免許・運行管理など)
一見すると働きやすそうな条件がそろっていますが、現場の声を聞くと、必ずしも“すべてが快適”とは限らないようです。次章では、実際に「きつい」と言われる理由について詳しく掘り下げていきます。
「きつい」と言われる理由・リアルな社員の声
富士運輸は業界内でも待遇が整っていると言われる一方で、「実際に働いてみると想像以上にきつかった」という声も少なくありません。
ここでは、社員・元社員から寄せられている主な不満点や、「きつい」と感じるポイントを整理して紹介します。
残業・拘束時間が長くなるケースも
業界全体の傾向として、「時間外労働が発生しやすい」「早朝出勤や夜間運行がある」という声は多く、富士運輸も例外ではありません。
「拘束時間が長く、実質の休憩が取れない日もある」
「早朝4時出発で前日夜も点呼・積込みがあるのはきつい」
「積み下ろしの待ち時間が長引くと、帰宅が夜遅くなることも」
特に繁忙期や荷主のスケジュール次第では、労働時間が不規則になりやすい点に注意が必要です。
配属先や営業所によって環境差が大きい
富士運輸は全国展開しているため、勤務地や配属先の上司によって働きやすさが大きく異なるという声もあります。
「営業所によっては人手不足で1人の負担が重い」
「管理職が現場に無関心なところもあり、サポートが薄い」
「仲間意識が強い営業所と、ドライバー同士の交流がない所との差が大きい」
このように、会社全体としての制度があっても、それが各現場でうまく機能しているとは限らない点が「きつい」と感じる原因になっています。
作業内容・荷物の負担
ドライバーの中には、「力仕事が多くて想像以上に体力を使う」という意見も見られます。
「パワーゲート付きでも手積み・手下ろしが発生する現場がある」
「重量物や繊細な商品を扱うため、注意力と体力の両方が必要」
「夏場の積み込み作業は特に過酷」
一部では改善も進んでいますが、荷主や案件によっては“重労働”が避けられないケースもあるようです。
良い面・働き続けるメリットもある?
「きつい」という声がある一方で、富士運輸には長く働く人も多く、一定の満足感ややりがいを感じている社員も存在します。ここでは、富士運輸で働く中で評価されているポイントをいくつか紹介します。
安定した企業基盤と成長性
富士運輸は全国規模のネットワークを持ち、取引先も大手企業が中心。
景気に左右されにくく、業績も安定している点は大きな安心材料です。
- 定期運行の仕事が多く、収入が読みやすい
- 業界内での知名度が高く、社会的信用がある
- 車両や設備への投資も積極的で、働く環境が整備されている
こうした企業としての安定感は、長く腰を据えて働きたい人にとっては大きなメリットといえます。
教育制度・資格支援が充実している
未経験からでもステップアップできるよう、免許取得支援や研修制度が整っている点も富士運輸の特長です。
- 大型免許やフォークリフト資格などの取得支援あり
- OJT中心で、先輩からの指導を受けながら業務を覚えられる
- 安全教育・運行管理の研修なども定期的に実施
経験が浅い人や業界未経験者にとっては、成長しながら働ける環境として評価されています。
働き方が合えば高収入も可能
荷主や路線によって差はあるものの、「安定的に月収30万〜40万円以上を目指せる」という声も少なくありません。
- 稼ぎたい人は長距離や深夜便にチャレンジ可能
- 残業手当・無事故手当・報奨金などが支給される場合もある
- 仕事量が安定しており、月によって大きな収入の波が少ない
体力と意欲のある人には、“きつさ”を乗り越える見返りがしっかりある職場ともいえるでしょう。
就職/転職前にチェックすべきポイント
富士運輸に限らず、物流・運送業界での転職を考える際には、事前の情報収集と現場理解が非常に重要です。
ここでは、入社後のギャップを減らすために、あらかじめ確認しておきたいポイントをまとめました。
実働時間・拘束時間・休日日数
求人票に書かれている「労働時間」や「年間休日」だけで判断するのではなく、実際の働き方にどれくらい差があるかを確認することが大切です。
- 点呼・積込み・待機時間を含めた一日のスケジュール
- 実際の休憩時間の取り方や残業の頻度
- 有給の取得状況や休日出勤の有無
面接や職場見学時に、現場のリアルなタイムスケジュールを聞いておくことがポイントです。
営業所ごとの雰囲気や管理体制
富士運輸は拠点数が多いため、配属先によって働きやすさや人間関係が大きく異なる可能性があります。
- 所長や配車係の対応が柔軟か、風通しが良いか
- ドライバー同士のコミュニケーションやチームワーク
- 無理なスケジュールを強いられない体制があるか
できるだけ具体的な配属先を聞き、その場所での働き方を把握しておきましょう。
自分の体力・性格と仕事内容の相性
富士運輸の仕事は「荷物あり」の現場も多く、すべてが“運転だけ”というわけではありません。
仕事内容が自分に合っているかを見極めるためにも、以下の視点が役立ちます。
- 荷物の積み下ろし作業の有無と内容
- 長距離か中距離か、地場かといった運行スタイル
- 体力面・生活リズム・家族との時間とのバランス
「給料がいいから」だけで選ぶと、入社後に後悔するケースも少なくありません。
現実的な視点で、自分に無理のない働き方ができるかをしっかり見定めることが大切です。
まとめ|富士運輸で働くなら“きつさ”も“メリット”も理解して選ぼう
富士運輸株式会社は、全国に拠点を持つ大手物流企業として安定感があり、福利厚生や研修制度も比較的整っている企業です。しかし、その一方で「きつい」と感じる要素も確かに存在します。
長時間労働や配属先による環境差、荷役作業の負担など、入社前にしっかり把握しておくべき点が多いのも事実です。
とはいえ、業界内では比較的待遇が良く、努力次第で安定した収入やキャリアアップも望める職場です。
向いている人にとっては、長く続けやすく、技術や経験を積み上げていける環境でもあります。
重要なのは、事前に情報を集めて「自分に合うかどうか」をしっかり見極めること。
そのうえで、実際の仕事内容や営業所の雰囲気、働き方のスタイルなどを確認し、納得したうえで入社を決めることが、後悔しない転職への第一歩です。
