大阪〜名古屋間を車で移動する際、多くのドライバーが悩むのが「新名神と名神、どっちを通ったほうが早いのか?」というルート選択の問題です。
カーナビで表示される推奨ルートが日によって変わったり、料金や距離が微妙に違ったりすることもあるため、迷うのも無理はありません。
本記事では、時間・距離・渋滞・料金・使いやすさなど複数の観点から、新名神と名神を徹底比較。
目的別におすすめの使い分け方も紹介していますので、ビジネス利用でも旅行でも、あなたにとって最適なルート選びの参考になるはずです。
名神・新名神とは?まずは基本の違いをおさらい
新名神と名神は、どちらも関西〜中京エリアを東西に結ぶ幹線高速道路ですが、設計年代や通過ルートが異なります。まずはそれぞれの路線概要と特徴を押さえておきましょう。
名神高速道路の概要とルート
しかし、その分交通量も多く、特に京都南IC~大津ICや吹田JCT付近は慢性的な渋滞ポイントとして知られています。
新名神高速道路の概要とルート
新名神高速道路(E1A)は、名神のバイパスとして建設された比較的新しい路線で、三重県四日市JCTから滋賀県草津田上IC、京都の高槻JCT、大阪の神戸JCTなどを結んでいます。
地図上で見る新名神と名神の分岐ポイント
両ルートの分岐点は複数ありますが、代表的なのは名古屋側の四日市JCT、大阪側の高槻JCT付近です。利用するICや目的地によって、最適な乗り継ぎポイントが異なるため、ナビアプリでの事前確認が重要です。
新名神と名神、所要時間が早いのはどっち?
「早く着きたい」場合に注目すべきは、距離と制限速度、平均速度の差です。
道路設計の違いが所要時間に与える影響は大きく、選ぶルートによって20分以上の差が出ることもあります。
時間の比較(豊田〜草津間)
NEXCO西日本の資料によると、豊田JCTから草津JCTまでの距離は、名神経由で約160km、新名神経由で約126kmとおよそ30kmの差があります。
所要時間でも、名神が約105分、新名神が約85分と、約20分の短縮が可能です。
時間にシビアな移動を求められるビジネスドライバーや、急いでいる旅行者にとっては大きなメリットです。
以下に、新名神と名神それぞれの距離・所要時間を比較した表を示します。
比較項目 | 名神高速道路 | 新名神高速道路 |
---|---|---|
区間 | 豊田JCT → 草津JCT | 豊田JCT → 草津JCT |
走行距離 | 約160km | 約126km |
所要時間(目安) | 約105分 | 約85分 |
渋滞発生の可能性 | 高(特に京都〜大津間) | 低(交通分散が進んでいる) |
道路設計 | カーブ・勾配が多い | 直線的で走行しやすい |
距離の短さや道路設計の違いが、走行時の快適さや燃費にも影響を与えるため、「早く・スムーズに・疲れにくく」移動したい場合は、新名神が有利といえるでしょう。
平均速度と制限速度の違い
新名神は、設計速度が高く、路面の整備状態も良いため、制限速度100km/hの区間が多く設定されています。
一方の名神は、古い設計のため制限速度が80km/hの区間も多く、交通量も多いため、実際の平均速度はさらに低くなる傾向があります。
速度差だけでも、長距離になるほど所要時間に大きな差が出てくるのです。
以下に、両路線の速度に関する違いをまとめます。
- 新名神高速道路
- 制限速度は多くの区間で 100km/h
- 道路が直線的で勾配やカーブが少ないため、一定速度での走行がしやすい
- 渋滞が少ないため、実際の平均速度も制限速度に近いことが多い
- 名神高速道路
- 古い設計であるため、一部区間では 80km/h 制限の場所もあり
- カーブやアップダウンが多く、速度の上下が頻繁に発生
- 交通量が多く、渋滞によって平均速度が大きく低下するケースが多い
このように、新名神は設計面でも安定走行を支える要素が多く、所要時間の短縮やドライバーの負担軽減に繋がっています。
信号・勾配・カーブの有無が所要時間に与える影響
新名神は直線的なルート設計で、長いトンネルや高架橋が多く、信号も交差点もありません。
加減速の機会が少なく、一定の速度での巡航が可能なため、結果的に移動時間の短縮や燃費の向上につながります。
渋滞しにくいのは新名神?名神?
所要時間に大きく影響するのが渋滞です。
高速道路ではルートそのものの性能よりも、時間帯・曜日・周辺道路の混雑状況が大きな要素になるため、日常的な傾向を知っておくことが大切です。
平日朝・夕方の交通量比較
名神は大阪・京都を直接通過するため、通勤時間帯の交通量が非常に多く、吹田〜大津〜京都南間で朝夕の渋滞が定番化しています。
新名神はこれらのエリアをバイパスするルートとなっており、比較的交通量が分散しています。
通勤・通学のピーク時間帯をまたぐ移動なら、新名神のほうが安定して走れる傾向があります。
以下に、ルート別の傾向を箇条書きで比較します。
- 名神高速道路(E1)
- 京都南IC〜大津IC、吹田JCT周辺などで 朝夕の渋滞が頻発
- 通勤・通学車両が多く、断続的なノロノロ運転になりやすい
- 車線数が限られる区間もあり、合流や分岐で速度低下しやすい
- 新名神高速道路(E1A)
- 市街地や通勤需要を避けた設計で、交通量が分散されやすい
- 朝夕も比較的スムーズな走行が可能で、時間帯による変動が小さい
- 追い越し車線の確保がしっかりしており、流れが安定しやすい
このように、特に朝・夕のピーク時に利用する場合は、新名神の方がストレスの少ない移動が可能になります。
休日・連休の渋滞傾向
連休やお盆・年末年始には、観光地を多く通る名神の方が圧倒的に渋滞が多くなります。
大津や京都南など観光地付近のICでは、出口渋滞が本線にまで及ぶこともあります。
新名神は山間部を通過するルートで観光地が少ないため、同じ時間帯でも混雑が比較的マイルドです。
渋滞時に向いているルートの選び方
渋滞が予想される日や時間帯には、新名神を優先することで、イライラや遅延を回避しやすくなります。
リアルタイムの渋滞情報をETC2.0やナビアプリで確認し、臨機応変に選択するのが最も効果的です。
料金やICの使いやすさはどちらが便利?
ルート選びで見落としがちなのが通行料金やICの構造です。
ここでは、料金の違いやサービスエリアの設備面からも比較していきましょう。
通行料金の差(例:吹田IC〜草津JCT)
起点・終点が同じであれば、名神と新名神で通行料金に大きな差はありません。
ただし、新名神は距離が短いため、ガソリン代や時間的コストの面で見るとお得感があるケースが多いです。
ETC割引が効く区間や深夜割引を併用すれば、差はほぼ気にならない程度です。
PA・SAの利便性と設備比較
新名神は、宝塚北SAなど新しいサービスエリアが非常に充実しており、トイレや飲食店、休憩スペースも清潔で快適です。名神のSAも名物店舗などがあり魅力的ですが、混雑しがちな点には注意が必要です。
快適さを重視するなら、新名神のSAのほうが静かで利用しやすい傾向があります。
乗り継ぎ・分岐のしやすさと注意点
新名神は分岐や合流がわかりやすく設計されており、初心者でも安心して走れます。
名神は構造がやや古く、分岐が連続する箇所では間違いやすい場面もあるため、事前のルート確認が不可欠です。
以下に、新名神と名神の乗り継ぎ・分岐のしやすさに関する比較をまとめました。
比較項目 | 新名神高速道路(E1A) | 名神高速道路(E1) |
---|---|---|
設計年数 | 新しい(2000年代以降) | 古い(1960年代〜) |
分岐・合流の構造 | 緩やかで見通し良好、合流しやすい | 分岐が短く複雑な箇所がある |
案内標識の見やすさ | シンプルで大きく、進路変更しやすい | 案内が多く、慣れないと迷いやすい |
初心者向けのわかりやすさ | 〇(ナビと併用で迷いにくい) | △(事前のルート確認が必要な箇所あり) |
新名神は設計が新しいため、分岐が連続していたり短かったりすることが少なく、余裕をもって進路変更できます。
一方、名神は古い設計のままの分岐が残っている区間もあるため、初めてのドライブではルートミスに注意が必要です。
結局どっちを使うべき?目的別おすすめルート選び
ここでは、利用者の目的に応じた最適ルートを簡潔にまとめます。
とにかく早く着きたい人におすすめ
新名神は距離が短く、平均速度も高く保ちやすいため、最短時間で移動したい場合に最適です。
時間に余裕のない移動時には新名神を選びましょう。
渋滞を避けたい人・長距離運転の人におすすめ
交通量が分散している新名神は、ストップ&ゴーが少なく、ドライバーの疲労を軽減できます。
長距離運転が続くときは新名神がより安全で快適です。
景観や快適さを重視する人におすすめ
景観を楽しむなら名神ですが、静かで整った設備を重視するなら新名神のSAが快適です。
どちらも魅力があるので、目的地や時間帯に応じて選ぶのがおすすめです。
まとめ
「新名神と名神、どちらが早いか」は、時間帯・走行目的・運転スタイルによって結論が異なります。
新名神は新しい設計と直線的なルートによって所要時間や快適性に優れていますが、名神には歴史あるサービスエリアや観光スポットへのアクセスといった独自のメリットがあります。
早く着きたいなら新名神、観光地に立ち寄りたいなら名神、渋滞回避や長距離走行の快適性を求めるなら新名神が向いています。
リアルタイムの交通情報やナビを活用して、そのときの状況に応じたベストなルート選択を行い、快適で安全なドライブを楽しんでください。