こんにちは、現役の長距離トラック運転手のイッシーです。
僕はこの業界で20年近く働いています。
これだけ長いこといると他の運送会社のドライバー仲間もたくさんいて情報も入ってきます。
そこでいつも思うのが運送会社の求人募集の給料や労働時間の内容に嘘が多いって事です。
特に個人の運送会社では未だにブラック企業があり過酷な労働を強いられているドライバーも知っています。
求人募集のちらしや広告もよく見ますが、知ってる運送会社が載っていると「嘘ばっかりやん」と突っ込んでしまいます^^;
今回はトラック運転手の求人募集内容の嘘と見極める対策や方法を書いていきます。
目次
ハローワークは嘘ばかり?
ハローワークで掲載されている求人は嘘ばかりという声を聞いたことがありますが、実際そんなことはあるのでしょうか?
ズバリ結論から言うと、ハローワークで掲載されている求人に虚偽の事柄を書いている企業が仮に見つかった場合、法律で罰せられます。
転職サイトは嘘ばかり?
転職サイトなどの求人から応募し、採用後実際に働いてみると求人に書いていたこととは違うなんて経験をした人も少なくないでしょう。
転職サイトや求人サイトに掲載されている企業は、どうにか人目を惹きたいということからオーバーな言い回しを使う事も実際にあります。
しかし、いざ働いてみると条件が違うことに気付きトラブルに発展するケースもあります。
転職サイトは嘘ばかりとは言いませんが、少なからず掲載した当時と就業する時点での条件が変わることはまだまだあり得る話です。
運送会社の求人内容で気をつけたいポイントとは!
まず求人募集で会社の仕事内容や給料面、勤務時間や休日、福利厚生などがあります。
具体的な会社名を上げて書くのは僕のサイトでは控えますが、よくありがちな例として参考にして下さい。
労働時間
具体例
【勤務時間】
17:00~8時間程度
長距離の運送会社では夕方出勤の会社が多いです。
そこで上の具体例の募集をよく見ると思いますが17:00に出勤して8時間労働なら深夜1:00に仕事が終わります。
普通の雑貨(路線便)でそんな時間に終わる仕事はほとんどありません。
夕方17:00に出勤して次の日の朝5:00に終わればまだマシな方です。
その時点で12時間労働です。
週に6日やれば週の勤務時間は72時間になります。
週40時間(多少の残業あり)と大嘘書いてる会社も現実あります。
※労働時間は走るコースによって全然変わってきます。
給料
具体例
【給与】
50万以上可
250,000円~500,000円以上
まずは50万以上可です。
確かに月給50万以上の会社はあります。
うちの会社も50万を超える時もあります。
でも正直50万以上稼げる月は年に数回です。
250,000円~500,000円以上の例にあるように毎月コンスタンスに月給50万は難しいし、50万以上稼げる月はほとんど休みもないし大変です。
僕も休み無しで走り続けた事がありますが、そんなに給料いらんから休ませてくれ、となりました。
お盆やゴールデンウィーク、正月などは休みの多く給料が20万円台になる事もあり、毎月コンスタンスに50万以上稼げる会社は少ないです。
賞与有り
特に個人の運送会社では賞与が出る会社は少ないです。
賞与といっても実際は3万円や5万円くらいの寸志の場合がほとんどです。
出るだけありがたいというレベルですね。
退職金制度有り
大手の運送会社はある程度まとまった退職金もあるでしょうが小さな会社では退職金制度有りと書いてあっても金額は全く期待できません。
数年勤めたくらいではまともに貰えないのが実情です。
気をつけたい運送会社独特のルールやペナルティ
運送会社ではその会社独特のルールやペナルティがあります。
労働基準法を無視した悪質なその会社独自のルールもあるので気を付けましょう。
荷物事故や車両事故が自腹で払わされる
これは未だによく聞きます。
実はうちの会社も荷物事故や車両事故は自腹です。
金額が大きくなると保険を使ってはくれるのですが、免責金を払わされます。
給料が良くても事故が多いとまともに給料を貰えないドライバーも多いです。
【運送会社の自腹請求について労働基準監督署に問い合わせてみました】
運送会社の荷物や車両事故の自腹は法律違反?労働基準監督署に相談した結果とは!
併せてお読みください。
燃料代や緩衝材が自腹
会社によっては燃料代や緩衝材などの積み込み時に必要な道具が自分持ちだったりします。
燃料代は社会情勢に大きく左右されるので毎月の生活が不安定になります。
そのような会社は避けた方がいいでしょう。
また制服が自腹の会社もあります。
事業拡大により急募ってほんと?
事業拡大により急募と書いてある会社も怪しいです。
もちろん本当にそのような会社もあるでしょう。
しかし良い会社なら募集をかけなくても人は集まります。
社員が知り合いを呼ぶからです。
今運送会社は紹介制を採っている会社が多いです。
良い会社の社員は自信を持って知り合いを呼びます。
わざわざお金をかけて求人募集を出す必要がないんです。
ちなみに求人募集をよく出している僕の知ってる会社は知り合いのドライバーが辞めたら事業拡大により急募してました 笑
運転手未経験の方が求人内容の嘘を見極める方法とは!
運送関係に経験があったり知り合いがいると
嘘も分かるのですが未経験だと分からないですよね。
その時はネットで口コミを見たり毎回募集を出している会社は避けた方がいいですね。
そして面接の時にはしっかりと聞いておくことです。
後で話が違うと感じたらすぐ辞めてもいいです。
運送会社なんて星の数ほどありますから。
求人情報の嘘は違法じゃねえの?
ハローワークや求人サイトには多数の求人情報の嘘がはびこっています。
これって違法じゃないの?
と思う方も少なくありません。
求人情報の嘘は実は「違法ではない」のです。
嘘のような本当の話ですが求人情報の内容に嘘があっても法的には企業側には非がないのです。
そんな話がまかり通るのは厚生労働省のこんな文言があるためです。
質問
求人誌を見て就職しましたが、求人誌に書いてあった給料や勤務時間などの条件と実際の条件が違っていました。これは労働基準法違反ではないのですか。
回答
労働基準法第15条には、労働条件の明示が定められていますが、この条文で言う労働条件の明示とは労働者個々人に対して書面で明示される労働条件のことです。つまり、求人誌やハローワークに掲載されている求人票はあくまでも募集の際に提示する労働条件の目安であり、労働基準法第15条で定める労働条件の明示には該当しません。
なお、ハローワークに掲載されている求人票の条件と実際の条件が異なる場合は、まずはハローワークにご相談ください。
つまり求人に内容に多少違いがあっても労働契約をする際に労働条件の明示があれば問題はないということです。
気を付けたいのは求人票と契約書は別物という所です。
職業安定法65条では
・会社から直接提示された条件に反している時のみの罰則
とあります。
この場合は虚偽の条件で労働者を募集した場合には「6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金」となります。
いずれにしてもトラブルを避けるためには面接時に労働条件を必ず確認することが必要です。
※絶対に失敗したくない会社選び!
本気で運送会社を探すならこの業界に20年携わっている僕がお勧めする求人サイトをご活用下さい。きっとお役に立てると思いますよ。
さいごに
今回はトラック運転手の求人募集によくありがちな嘘を書いてみました。
平気で嘘を書く会社が多いのも現状です。
全て納得のいく会社なんてそうそうないですが、あまりにも話の違う会社もあるので気をつけましょう。